症状・目的別で選ぶおすすめ低用量ピル
低用量ピルは、ほぼ100%という確実な避妊のほか生理痛やPMS(月経前症候群)などの生理トラブルにも役立つ薬です。
低用量ピルを服用すれば痛みやメンタルの浮き沈みが軽くなり、ごく普通の毎日を過ごせるようになります。
解決したい症状や目的、費用などを比較して、自分にぴったりの低用量ピルを選びましょう。
代表的なピル | |||
トリキュラー | マーベロン | ヤーズ | |
1ヶ月分の価格 | 2,180円~ | 2,990円~ | 5,000円~ |
生理痛 | 〇 | 〇 | ◎ |
PMS | △ | 〇 | ◎ |
生理不順 | ◎ | ◎ | △ |
ニキビ | △ | ◎ | 〇 |
避妊 | ◎ | ◎ | 〇 |
副作用リスク | 少 | 中 | 中 |
起こりやすい副作用 | 吐き気、 胸の張り |
不正出血 | 不正出血、 性欲減退 |
低用量ピルが飲めない人にはミニピルがおすすめ
40歳以上、喫煙の習慣がある、高脂血症・高血圧など血栓症リスクが高いなどピルの服用に制限がある女性でも、卵胞ホルモンを含まないミニピルなら服用できる場合があります。
▶ ミニピル:セラゼッタ
低用量ピルの購入方法
低用量ピルは医師の処方が必要な医薬品なので、市販はされていません。
購入方法は、1.病院を受診、2.オンライン処方、3.海外通販の3つ。
ピルを飲んだことがない女性は、一度は病院やオンライン処方で診察を受けてみましょう。
ピルの服用に慣れている場合には、海外通販を利用すれば1ヶ月分1,000円前後〜という低価格のピルが通院不要で購入できます。
購入方法の選び方
・一度はしっかり説明や検査を受けてみたい
→ 病院
・ピルを飲んだことはないけど病院へ行く時間がない
→ オンライン処方
・自分にどのピルが合うか分かっている。安さ重視で買いたい
→ 海外通販
病院処方
・低用量ピルを飲むのは初めて
・生理痛が重くて、何か病気かもしれないと不安
・ピルは副作用が怖いので、きちんと説明を受けて納得したい
低用量ピルは、婦人科やレディースクリニックなどで処方してもらえます。
目立った不調がない限り内診を行うことはないので、恥ずかしがらずに受診してみましょう。
目的や体質に合わせて適切なピルを選んでもらえるので、「どのピルを選べばいいかわからない」という女性でも安心して服用を始められます。
病院処方のメリット | ・悩みや目的に役立つピルが分かる ・必要な検査を受けられる ・症状によっては保険適用になる |
病院処方のデメリット | ・1~3ヶ月に一度の通院が必要 ・避妊目的のピルは保険適用外 |
病院処方・低用量ピルの価格
低用量ピルが保険適用になるのは、月経困難症(生理痛、生理不順など)や子宮内膜症だと診断された時だけで、避妊や月経移動が目的の場合には自由診療となります。
ただし保険適用になると検査費や調剤費用、再診料などがかかるため、自由診療との価格差はそこまで大きくありません。
自由診療の場合、病院が低用量ピルの価格を決定できるので、医療機関によって価格はまちまちです。
低価格なジェネリック医薬品も流通しているので、価格やジェネリックの有無についてあらかじめ確認しておくと安心です。
代表的な商品 | トリキュラー | マーベロン | ヤーズ |
先発薬の価格 (1ヶ月分の目安) |
2,000~3,500円 | 2,000~3,500円 | 2,000~3,000円 |
ジェネリックの価格 (1ヵ月分の目安) |
2,400~2,700円 | 2,400~2,700円 | ー |
診察代金 | 0~3,000円 |
オンライン処方
・一度は診察を受けたいけど、婦人科は妊婦さんばかりで緊張する
・仕事や家事が忙しく、病院へ行く時間が作れない
オンライン処方は、LINEやメール、テレビ電話などで医師の診察を受けられる医療サービスです。
病院へ足を運ばなくても診察が受けられ、処方された低用量ピルは自宅へ郵送されるため、受診の手間や恥ずかしさを感じることなく服用を始められます。
オンライン処方のメリット | ・病院へ行かなくても医師の診察を受けられる ・通販のようにピルが自宅に届く |
オンライン処方のデメリット | ・送料がかかる、またはピルの価格が割高になっている場合がある |
オンライン処方・低用量ピルの価格
オンライン処方では、低用量ピルの代金のほか診察料や送料が必要です。
病院によっては、診察代・送料込みでピルの価格が高めに設定されている場合もあります。
代表的な商品 | トリキュラー | マーベロン | ヤーズ |
先発薬の価格 (1ヶ月分の目安) |
2,700~3,300円 | 2,700~3,300円 | ー |
ジェネリックの価格 (1ヵ月分の目安) |
約2,700円 | 約2,700円 | ー |
診察代金 | 0~3,000円 | ||
送料 | 0~1,000円 |
海外通販
・使い慣れた低用量ピルがある
・通院は面倒なので、ピルだけ買えれば良い
・低用量ピルにかける費用はできるだけ抑えたい
海外通販は海外で作られている低用量ピルを取り寄せる方法で、個人輸入として厚生労働省に認められている行為です。(厚生労働省ー医薬品等の個人輸入について)
海外製であっても日本国内で処方されている低用量ピルと同じ成分なので、安心して服用できます。
また海外の低用量ピルは、日本と比べて非常に低価格。処方の半額ほどで購入できるので、毎月の費用が負担に感じている女性にとってうれしい選択肢です。
海外通販のメリット | ・診察なし、処方箋なしでピルが買える ・1ヶ月分1,000円前後なので、通院よりも安く済む |
海外通販のデメリット | ・注文~受取までに2~3週間ほどかかる ・体調やピルの飲み方について医師に相談できない |
海外通販・低用量ピルの価格
海外通販で買える低用量ピルは、先発薬もジェネリック医薬品も1,000円前後~と手頃な価格帯です。
毎月の出費が抑えられるので、低用量ピルの服用が長期に及んでも経済的な心配がありません。
代表的な商品 | トリキュラー | マーベロン | ヤーズ |
先発薬の価格 (1ヶ月分の目安) |
958~1,790円 | 1,160~2,430円 | 2,158~2,690円 |
ジェネリックの価格 (1ヵ月分の目安) |
898~1,190円 | 998~1,190円 | 1,518~1,890円 |
送料 | 1,000円(10,000円以上購入で送料無料) |
低用量ピルの効果
避妊、月経困難症(生理痛、過多月経、過少月経など)・PMS・子宮内膜症などの改善
低用量ピルは、人工の黄体ホルモンと卵胞ホルモンから作られています。
服用によって生理周期と同じようなホルモンサイクル、または一定のホルモン量を維持することで、排卵や子宮内膜の生成などを抑制します。
子宮内膜が肥大しないため、経血を排出する際の痛みや経血量が大幅に軽減できます。
また排卵が起こらないので妊娠することもありません。
生理前になると気分が落ち込んだり怒りっぽくなったりする人も、低用量ピルを服用することでメンタルバランスが落ち着いていきます。
配合しているホルモンごとに特徴があります
低用量ピルは、開発された時期によって配合しているホルモンの種類が異なります。
ホルモンの違いは効果の違いとして現れるため、悩んでいる症状によって使い分けましょう。
開発された順 | ホルモンの種類 | 代表的なピル | 適した症状 |
第一世代 | ノルエチステロン | ルナベル | 生理痛、子宮内膜症、避妊 |
第二世代 | レボノルゲストレル | トリキュラー | 避妊 |
第三世代 | デソゲストレル | マーベロン | ニキビ、避妊 |
第四世代 | ドロスピレノン | ヤーズ | 生理痛、PMS |
低用量ピルの飲み方
月経開始日から1日1錠を毎日服用します
・21錠タイプ
1シート飲み終わったら7日間休薬し、8日目から次のシートを飲み始めます
・28錠タイプ
1シート飲み終わったら次のシートを飲み始めます
低用量ピルは28日周期で服用します。
21錠タイプはホルモンを配合しないプラセボ(偽薬)なし、28錠タイプはプラセボありです。
21錠タイプは服用をやめて数日以内、28錠タイプは最後の7日分を飲み始めて数日以内に出血(生理)が起こります。
低用量ピルの効果を一定に保つため、毎日決まった時間帯の服用を心がけてください。
服用するタイミングが変動したり飲み忘れが続いたりすると、ホルモン量が保てずに効果が減少してしまいます。
飲み忘れた場合
・1回分飲み忘れ
飲み忘れに気づいた時点で忘れた分を服用し、その日の分(当日分)もいつも通りに服用します。
・2回分飲み忘れ
2日以上飲み忘れが続いた場合には、気づいた時点で前日分を服用し、いつも通りの時間帯に当日分を服用します。
・3回以上飲み忘れ
服用開始から1~2週目に飲み忘れが続いた場合には、避妊効果が大幅に低下するため他の方法で避妊を行ってください。
避妊以外の目的であれば、飲み忘れに気づいた日から再び服用を続けてください。
服用3週目の場合は、そのまま休薬期間に入ります。
直近で服用した日の翌日から7日間が休薬期間となり、8日目からは次のシートを飲み始めます。
低用量ピルの副作用
吐き気、嘔吐、頭痛、下腹部痛、乳房の張り、不正出血 など
低用量ピルの副作用は、服用開始後数日から数ヶ月ほどの時期に起こりやすいといわれています。
生理中や妊娠中にみられる症状が現れますが、体が慣れてくるに従って症状も起こらなくなります。
血栓症に注意
低用量ピルの服用を続けていると、エストロゲン(卵胞ホルモン)の働きによって血液が固まりやすくなって血栓症のリスクが高まります。
血栓症は服用開始から3ヵ月ほどの間に現れやすく、血管内に血の塊ができて血流が阻害され、手足のしびれやむくみ、動悸が起こります。
低用量ピルを服用して血栓症になる人は年間で1万人のうち3~9人ほどですが、悪化すると脳梗塞や心筋梗塞に発展するため、体調に異変を感じた場合にはすぐに医療機関を受診してください。
低用量ピルの禁忌・注意点
・50歳以上(40歳以上は服用注意)
・喫煙者(1日に15本以上)
・高血圧
・乳癌、子宮体癌など、女性特有の癌の疑いがある、または発症している
・妊娠中、授乳中、産後6週間以内
・手術前後、または静脈血栓症になったことがある
血栓症のリスクが大幅に上昇するため、高血圧の人や喫煙者、閉経が近い年代の人は低用量ピルを服用できません。
また医薬品を服用中の人は、低用量ピルとの飲み合わせによって薬の作用を強めたり弱めたりする恐れがあるため、あらかじめ医師や薬剤師へ相談してください。
低用量ピルについてよくある質問
低用量ピルを飲み始めて何日目から避妊効果がありますか?
生理開始日から飲み始めた場合には、服用初日から避妊効果があります。
生理日に関わらず服用を始めた場合には、飲み始めて7日以上経過すると避妊効果が得られます。
低用量ピルをずっと飲んでいると不妊になりませんか?
低用量ピルを服用しているあいだは妊娠しませんが、将来の妊娠に影響を及ぼすことはありません。
ピルの服用をやめると排卵が行われるようになり、妊娠も可能になります。
低用量ピルを止めたら、次の生理はいつ来ますか?
服用中と同様に、服用を中止して数日以内に出血が起こります。
排卵を伴う生理は、その2~3ヵ月以内に再開します。
低用量ピルを飲むと太るって本当ですか?
低用量ピルに脂肪や体重を増やす働きはありませんが、男性ホルモンへの作用によって食欲が増進される場合があります。
その結果、普段よりも食事量が増え、体重が増える可能性があります。
服用開始から1、2ヵ月ほど経つと、体が慣れて食欲も落ち着きます。
低用量ピルに年齢制限はありますか?
初潮から6ヵ月以上経っていて、未成年でも低用量ピルを服用できます。
低用量ピルによって成長を妨げる心配はなく、生理痛や生理不順を我慢する必要はありません。
また閉経が近づいている世代が服用すると血栓症リスクが高まるため、40代は服用について医師へ要相談、50歳以上は服用禁止とされています。
低用量ピルを飲んでいる時に他の薬を飲んでもいいですか?
低用量ピルと抗ウイルス薬(C型肝炎の治療薬)は併用できません。
また、抗うつ剤や抗てんかん薬、ステロイドの内服薬、解熱剤などは併用に注意が必要です。
低用量ピルと他の医薬品を併用する必要がある場合には、医師や薬剤師へご確認ください。