糖尿病のタイプで選ぶ・おすすめの治療薬
糖尿病の治療は、上がり過ぎた血糖値を下げて維持することが目的です。
血糖値をコントロールできれば健康な人と同じような生活が送れるようになり、命に危険が及ぶこともありません。
まずは食事や運動といった生活習慣の見直しを実践し、それでも改善しない場合には血糖値を下げる薬を服用します。
血糖値を下げる薬は主に3種類あり、糖尿病のタイプによって使い分けます。 ▶ 糖尿病の症状
体形によって糖尿病のタイプを判断し、薬を選びます
・肥満体形(BMI25以上)の人:インスリンに対する抵抗が強い
└ インスリンの働きを強める薬
・肥満ではない人(BMI25未満):インスリンが不足している
└ インスリンの分泌を促す薬
※ BMI(肥満度を表す体格指数)
BMI = 体重kg ÷(身長m×身長m)
肥満体形だ (BMI25以上) |
肥満ではない (BMI25未満) |
どのタイプでも使う | |||||
必要な働き | インスリンの働きを強める | インスリンの分泌を促す | 糖質の吸収・排泄を調節する | ||||
商品 | |||||||
メトグルコ | アクトス | アマリール | スターシス | ジャヌビア | フォシーガ | グルコバイ | |
4,200円 (100錠) |
2,690円 (90錠) |
2,150円 (30錠) |
6,290円 (200錠) |
6,490円 (28錠) |
3,390円 (10錠) |
2,690円 (90錠) |
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副作用 | 下痢、吐き気 など | めまい、胃の不快感 など | 便秘、口渇 など | 消化不良、下痢 |
治療薬は糖尿病のタイプによって選びますが、働きの違う薬は併用可能です。
ただし、インスリンに作用する薬同士を併用すると低血糖が起こりやすくなるため、併用や服用量の増減は医師の指示に従ってください。
糖尿病治療薬の購入方法
購入方法の選び方
・病院処方
└ 体調や薬について医師の指示をあおぎたい
・オンライン診療
└ 医師に相談はしたいけど、診療時間内に受診するヒマがない
・海外通販
└ 血糖値を下げる薬は手放せないが、通院も受診も面倒だ
・ 市販、楽天やAmazon
└ 糖尿病治療薬は購入できません
血糖値の管理は長期間に及ぶため、定期的な通院はずっと続きます。
医師のもと体調管理をできることが安心だという人もいれば、度重なる通院にストレスを感じる人がいるかもしれません。
通院を負担に感じる場合には、処方箋なしで利用できる海外通販がおすすめです。
海外通販は海外で販売されている痛風治療薬を取り寄せる方法で、個人輸入として厚生労働省に認められている安心・安全な行為です。(厚生労働省-医薬品等の個人輸入について)
体調を維持するためにも、症状やライフスタイルに適した方法で治療を続けていきましょう。
病院処方
・糖尿病の可能性を指摘されたが、どんな薬を飲めば良いのかわからない
・何をしたら効果的に血糖値を下げられるのか教えてもらいたい
・初めての病気なので、医師と直接話しながら納得・安心して治療したい
食事制限や運動に取り組んでも血糖値が下がらない人や自分に合う薬がまだ見つかっていない人は、医師の診断のもと治療薬を処方してもらいましょう。
糖尿病の治療薬は症状によって使い分けが必要なので、効果的な治療を続けるためには自分に合う薬を知ることが大切です。
また糖尿病は合併症が起こりやすい病気ですが、通院していれば万が一の悪化にも気づきやすく、迅速かつ適切に治療を行えます。
病院処方のメリット | ・症状に応じて、最適な治療薬を処方してもらえる ・体調の変化にも早い段階で気づける |
病院処方のデメリット | ・定期的な通院が必要なので、日常生活の負担になる ・コロナ禍のような時には受診できなくなる |
オンライン診療
こんな人におすすめ
・薬は必要だけど、決められた日程で通院するのは難しい
・通院して他の病気にうつるのは怖い
糖尿病を患っている人にとって、血糖値のコントロールは非常に重要。
通院できずに手元の薬がなくなると、体調の悪化を招いてしまいます。
「忙しくて通院できないことがある」「コロナ禍のように通院を制限されると困る」といった人はオンライン診療を活用してみましょう。
病院へ行く時間がなくてもスマホやパソコン越しに受診ができ、医師に相談ができるので安心して治療を続けられます。
オンライン診療のメリット | ・病院へ出向かずに体調に適した治療薬を処方してもらえる ・仕事やプライベートの時間を犠牲にせず、治療が続けられる |
オンライン診療のデメリット | ・画面越しの診察なので細かなニュアンスが伝えづらい ・病院によっては保険が使えず医療費が高額になる場合がある |
海外通販
こんな人におすすめ
・薬をもらうためだけに通院するのは時間がもったいない
・自分に必要な薬について正しく理解している
海外通販の一番のメリットは、通院なしで糖尿病治療薬が購入できる手軽さです。
処方薬と同じ成分、同じ効果の薬がスマホひとつで注文できるので、通院の手間を省きながら効果的な治療を続けられます。
また、日本の健康保険は使えないものの格安のジェネリック医薬品が選べるので、費用をかけずに必要な治療薬を購入できます。
海外通販のメリット | ・通院や診察の手間なしで糖尿病治療薬が買える ・処方薬と同じ成分のジェネリックが安く買える |
海外通販のデメリット | ・購入から商品到着までに2~3週間ほどかかるため、急いでいる時には間に合わない ・薬の購入や服用は自己責任 |
インスリンの働きを強める薬
インスリンの働きが弱まっているタイプの糖尿病には、1.ビグアナイド薬、または2.チアゾリジン薬といった薬がおすすめです。
特に、BMIが25以上に達している肥満の糖尿病患者に向いています。
薬の分類名 | ビグアナイド薬 | チアゾリジン薬 |
成分名 | メトホルミン | ピオグリタゾン |
商品名 | メトグルコ | アクトス |
特徴 | 糖の産生や吸収を抑える | インスリンに対する体の反応を高める |
ビグアナイド薬
代表的な商品 | メトグルコ |
効果 | 糖の産生や吸収を抑える |
副作用 | 食欲不振、吐き気、便秘、下痢 など |
禁忌・注意 | 過度のアルコール摂取者、重度の腎機能・肝機能障害がある人は使用不可 |
ビグアナイド薬は、3つの作用によって血糖値を改善する薬です。
1.糖新生抑制作用
2.筋肉・脂肪組織での糖取り込み促進作用
3.小腸での糖吸収抑制作用
肝臓で新しい糖が作られたり、筋肉や脂肪で糖の取り込みが低下したり、小腸での糖吸収が増えると血糖値を上げる要因となります。
3つの作用を発揮することによって、高い血糖降下効果が望めます。
チアゾリジン薬
代表的な商品 | アクトス |
効果 | インスリンに対する体の反応を高める |
副作用 | 冷や汗、手足の震え、ふらつき、脱力感 など |
禁忌・注意 | 心不全、肝機能・腎機能障害の人は使用不可 |
チアゾリジン薬は、インスリンの働きを促して血糖値を改善します。
新しいタイプの糖尿病薬で、肥満タイプでインスリンに対する感受性が鈍っている人に向いています。
2型糖尿病患者の筋肉や肝臓でインスリンの働きが弱くなる症状を、インスリン抵抗性といいます。
インスリンへの抵抗性が増強すると、肝臓や筋肉での糖放出が増えて、血糖が上がりやすくなります。
チアゾリジン薬はインスリンへの抵抗性を改善することによって、糖の放出を抑制して血糖値を改善します。
インスリンの分泌を促す薬
インスリンの分泌を促進する薬は、膵臓から分泌されるインスリンの量を増やす効果があります。
インスリンの分泌量が少ない傾向にある、痩せ型の糖尿病患者に処方されています。
薬の分類名 | スルホニル尿素薬 | 速効性インスリン分泌促進薬 | DPP-4阻害薬 |
成分名 | グリメピリド | ナテグリニド | シタグリプチンリン |
商品名 | アマリール | スターシス | ジャヌビア |
特徴 | 低血糖のリスクが高い | 食後のインスリン分泌量を増加させる | 2型糖尿病の第一選択薬 |
スルホニル尿素薬
代表的な商品 | アマリール |
効果 | インスリンの分泌を助ける |
副作用 | 低血糖、体重増加など |
禁忌・注意 | 下痢や嘔吐などの胃腸障害がある、重症ケトーシスの患者などは使用不可 |
スルホニル尿素薬は、膵臓の細胞に作用してインスリン分泌を促す薬です。
インスリンは膵臓のβ細胞から分泌されています。
β細胞にはスルホニルウレア受容体という物質が存在し、インスリンの分泌に深く関わっています。
スルホニル尿素薬はスホニルウレア受容体と結びつくことで膵臓でのインスリン分泌を促進し、血糖値を低下させます。
速効性インスリン分泌促進薬
代表的な商品 | スターシス |
効果 | インスリンの分泌を促進 |
飲み方 | 食事の10分前に服用する |
副作用 | 低血糖、貧血、頭痛、下痢、胃もたれ感 |
禁忌・注意 | 重症ケトーシスの患者などは使用不可 |
速効型インスリン分泌促進薬は、インスリンの分泌速度を早め、食後の血糖上昇を抑制する効果があります。
食前の即効性に優れているため、食後にインスリン分泌量を増加させたい場合はスルホニル尿素薬が適しています。
DPP-4阻害薬について
代表的な商品 | ジャヌビア |
効果 | インクレチンの分解を抑制する |
副作用 | めまい、冷や汗、胃炎、動悸、空腹感 など |
禁忌・注意 | 重症ケトーシス、手術前後、1型糖尿病の人は使用不可 |
DPP-4阻害薬は、インクレチンというホルモンの分解を阻害することで血糖値を低下させる薬です。
インクレチンは、食事を摂ると分泌されるホルモンです。
膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促したり、血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌を下げたりする働きがあります。
インクレチンがDPP-4という酵素によって体内で分解されすぎると、インスリンの分泌が低下し血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌が増加。
DPP-4阻害薬はインクレチンを分解するDPP-4酵素の働きを阻害して、血糖値低下の効果を発揮します。
2型糖尿病の第一選択薬として選ばれている薬でもあります。
糖質の吸収や排せつを調節する薬
薬の分類名 | SGLT2阻害薬 | αグルコシダーゼ阻害薬 |
成分名 | ダパグリフロジンプロピレングリコール | アカルボース |
商品名 | フォシーガ | グルコバイ |
SGLT2阻害薬とαグルコシダーゼ阻害薬は、どちらも血糖値をコントロールしているインスリンの働きには関与しません。
そのため、単剤使用で効果が弱いと判断された場合は、インスリンの分泌を促進する薬と併用して治療を行う場合もあります。
SGLT2阻害薬について
代表的な商品 | フォシーガ |
効果 | 糖を尿とともに排泄する |
副作用 | 低血糖、尿路感染、脱水、頻尿 など |
禁忌・注意 | 重症ケトーシス、手術前後、重篤な外傷のある患者は使用不可 |
SGLT2阻害薬は、尿中に糖を排出して血糖値を低下させる薬です。
血液中に含まれるブドウ糖は、血液から尿の元となる液の中に出た後、尿細管で取り込まれて血液に戻ります。
ブドウ糖を尿細管に取り込んでいるのは、SGLT2というたんぱく質です。
SGLT2阻害薬はSGLT2の働きを阻害して、尿中の糖が血液中に戻らないように作用。尿と共に糖を排出させ、血糖値を下げます。
糖と共に水分も排泄されるため、尿量が多くなり服用後は尿を足す回数が服用前よりも増える傾向にあります。
αグルコシダーゼ阻害薬について
代表的な商品 | グルコバイ |
効果 | 食後の高血糖化を抑制 |
飲み方 | 食事の10分前に服用する |
副作用 | 腹部の張り、おならの増加、下痢 など |
注意 | 低血糖のリスクが高まるため、ブドウ糖を常備しておく |
禁忌・注意 | 重症ケトーシス、手術前後、重篤な外傷のある患者は使用不可 |
αグルコシダーゼ阻害薬は、腸で行われている糖の吸収を遅らせて急激な血糖値上昇を抑える薬です。
食事から摂った糖質は、αグルコシダーゼという酵素によってブドウ糖に分解されます。
ブドウ糖は血液中に取り込まれるため、糖質の摂取量に従って血液中のブドウ糖も増加。
αグルコシダーゼ阻害薬は、酵素の働きを阻害して血液中への糖吸収を遅らせることで食後の高血糖を抑えます。
糖尿病治療薬についてよくある質問
糖尿病に効く薬ランキングは?
国立国際医療研究センターは、横浜大学・東京大学・虎の門病院の協力のもと、合計113万人以上の患者を対象に糖尿病治療薬の処方状況を調査しました。
その結果、DPP-4阻害薬がもっとも処方されていました。
第1位:DPP-4阻害薬(ジャヌビア、トラゼンタなど)
第2位:ビグアナイド薬(メトグルコ)
第3位:SGLT2阻害薬(フォシーガやスーグラなど)
第4位:スルホニル尿素薬(アマリール)
第5位:α−グルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ)
第6位:チアゾリジン薬(アクトス)
第7位:速効型インスリン分泌促進薬(スターシス)
第8位:GLP-1受動体作動薬(リベルサス)
糖尿病の代表的な薬は?
糖尿病の代表的な薬はメトグルコ(成分名:メトホルミン)です。
他国の学会でも、メトグルコを第一選択薬として処方するよう推奨しています。
ただし、1人ひとりの症状によって処方される薬は異なります。
糖尿病の最近の薬は?
2021年に大日本住友製薬が、2型糖尿病治療薬のツイミーグ錠(成分名:イメグリミン塩酸塩))という新薬を発売しています。
インスリンの分泌を促すほか、インスリンの効きを良くする効果も持ち合わせています。
糖尿病に一番悪い食べ物は何ですか?
砂糖を多く含むコーラやジュース(野菜ジュースも含む)、砂糖入り紅茶やコーヒーです。
他に、はちみつを含む甘味料、ケーキ、和菓子などにも注意が必要です。
甘い食べ物を食べたい場合は、ブルーベリーやブドウ、リンゴといった果物が良いとされています。
糖尿病は痩せれば治りますか?
痩せると血糖値のコントロールができている状態になりますが、だからといって糖尿病が完治したとは言えません。
もし体重が戻ってしまうと血糖値も高くなり、薬が必要な状態は続きます。
発病時から体重を落として維持することで、治療薬を飲まない生活を取り戻すことは可能です。
糖尿病は一生治りませんか?
糖尿病は完治しない病気ですが、薬を服用することで病気の症状を抑えることは可能です。
症状を抑えている状態を寛解といい、薬を飲まなくても問題ない状態を維持することが糖尿病治療のゴールだと言えます。
ダイエット目的で糖尿病の薬を飲んでもいいですか?
メディカルダイエットでは、糖尿病薬を痩せる薬として処方する医療機関もあります。
食欲を抑えるリベルサスや、糖を尿と共に排泄して脂肪にさせないフォシーガなどがあります。