早漏とは

早漏(Premature Ejaculation:PE)は膣内射精障害とも言われており、挿入から射精までの時間が極端に短いと自覚している日本人男性は1,300万人もいると言われています。

早漏は「射精するまでの時間が短い」という漠然としたイメージを抱かれがちですが、国際的な定義が3つ設けられています。

早漏の定義

・挿入の前後1分以内に射精してしまうことが多い

・挿入後、射精の管理ができない(コントロールできない)

・射精が早いことによる不安などでセックスに対して消極的になる

これらの条件に当てはまっている場合、早漏であることが考えられます。

早漏の原因

早漏の原因は大きく分けて、体の機能に原因がある器質性早漏とメンタルに原因がある心因性早漏の2つ。

原因を把握できれば、改善法も見えてくるものです。
早漏の悩みをすっきり解消するためにも、早く射精してしまう原因に注目してみましょう。

器質性早漏

「自分の意思とは関係なく射精してしまう」という症状の場合、器質性早漏の可能性が高いでしょう。

精神的なストレスや不安の有無に関わらず、身体そのものの変化や異常によって起こる症状のほとんどは器質性です。

器質性早漏を細かく分けると、衰弱性早漏と包茎性早漏の2つがもっとも多いといえます。

衰弱性早漏

衰弱性早漏

衰弱性早漏は、いわゆる加齢が原因で起こる早漏を指します。

身体の衰えに伴い射精管閉鎖筋という筋肉の機能が低下すると、刺激に耐えられずに精子を放出してしまい、結果的に早漏になってしまうのです。

30代前後の男性も筋力の低下による早漏になってしまうケースがあるため、注意が必要です。

包茎性早漏

包茎性早漏

日本人男性の約6割以上は包茎だと言われています。
そして包茎が原因で早漏になってしまうことは珍しくありません。

包茎にも様々な種類があり、カントン・仮性・真性などに分けられます。
常に包皮をかぶっている状態だと、通常よりも亀頭が敏感になり、ちょっとした刺激でも射精してしまうようになってしまいます。

包茎による早漏は手術などで改善される可能性がありますが、専門的なトレーニングで解消する方法も効果的です。

心因性早漏

心因性早漏は緊張や不安などが原因で起こる早漏です。
身体の状態とは関係なく、精神面が早漏の原因になっていることを指します。

特にセックスに慣れていない経験不足の男性に多く、経験を積むことで解消されることもあります。

ただし早漏は複数の原因によって発症することもあるため、経験だけでは解消できない場合も多いでしょう。
心因性早漏の中で代表的なものは、過敏性早漏とストレス性早漏の2つです。

過敏性早漏

過敏性早漏

過敏性早漏は、敏感過ぎるために起こる早漏です。

性的興奮や不安、または緊張などにより感度が高くなると、射精するタイミングが早くなってしまいます。

過敏性早漏は若年性に多いとされていますが、セックスに慣れていない男性であれば誰にでも起こり得えます。

ストレス性早漏

ストレス性早漏

日常生活の中で生まれたストレスが原因で早漏になることがあります。

ストレスを感じると脳内で分泌されるはずの伝達物質が不足し、射精をうまくコントロールできなくなってしまうのです。

セックスに苦手意識があり、行為そのものがストレスになっている場合も、男性によっては早漏気味になってしまいます。

EDとの併発

ナイトライフにおける男性の悩みの1つに、ED(勃起不全)があります。

早漏と同じく多くの男性がEDの問題を抱えているのですが、実は早漏とEDは併発することが多いのです。

そもそもEDとは勃起しにくくなる症状であるため、早漏とは関係ないように思われがちです。
しかし勃起した状態よりも勃起していない状態の方が刺激を感じやすく、その結果我慢できずに射精してしまいます。

また、早漏とEDを併発してしまう原因として考えられるのは、ホルモンバランスの変化と不安や焦りといった精神的な問題の2つです。

ホルモンバランスの変化

早漏とEDの共通点は、ホルモンバランスが大きく関係する点。

男性ホルモンはストレスや加齢、または生活習慣の乱れなどで分泌量が少なくなってしまうことがあります。
しかし男性ホルモンは勃起に欠かせない要素です。
勃起力の低下に伴い陰茎の筋力(射精管閉鎖筋)が衰え、早漏を併発するリスクは高くなります。

不安や焦り

EDの症状の程度は人それぞれですが、勃起しにくいことに加え、勃起が続かないことも症状の1つです。

努力して勃起させたのはいいものの、その状態を保つことは簡単ではありません。中折れしてしまうケースも多いでしょう。

EDの男性は、「勃起している間に射精する」ということを意識しすぎて、その焦りから早めに射精してしまうことがあります。
精神的なストレスが溜まるほどに症状は重くなるため、早期改善が肝心です。

早漏の改善・対策

早漏を改善する方には、1.治療薬の服用、2.トレーニング、3.手術などが効果的です。

手軽さや必要な費用、リスクなどがそれぞれ異なるため、改善方法について詳しく知り自分に合う方法を選択しましょう。

治療薬

早漏を最短で改善する方法は、専用の治療薬を使用することです。
内服薬・外用薬のどちらも効果的で、手軽に挿入時間を伸ばすことができます。

内服薬であればプリリジー、外用薬であればリドスプレーが有名です。
同有効成分を含むジェネリック医薬品であれば価格を抑えつつ同等の効果を得られます。

内服薬(飲み薬)、サプリメント

従来は外用薬が主流でしたが、近年では有効成分ダポキセチンを含む内服薬が多く利用されるようになりました。

ダポキセチンは自律神経に作用し、脳の興奮状態を鎮める効果があります。
それによって射精するまでの時間を3~5倍にまで伸ばすことが可能です。

また、ED(勃起不全)の改善に効果的な成分も配合されたタイプの薬も人気があります。
勃起力と挿入時間の両方に問題がある場合に最適でしょう。

ダポキセチンを含む内服薬

ポゼットプリリジースーパーカマグラスーパータダライズ など

サプリメントは、医薬品とは異なり天然ハーブなどが配合された栄養補助食品です。
即効性はなく、時間をかけて体質を改善することを目的とします。

医薬品に比べると効果は大きくありませんが、副作用がなく低価格であるというメリットを持っています。

早漏改善に効果的なサプリメント

ペニソールビリリティピルズメガマックスウルトラ など

早漏改善に有効なサプリメント

ペニソールビリリティピルズメガマックスウルトラ など

外用薬(スプレー、クリームなど)

皮膚麻酔薬として知られている有効成分がリドカインです。
医療機関では部分麻酔に使用されています。

亀頭部分はとても敏感で、少しの刺激で射精してしまう男性も少なくありません。
リドカインは麻酔効果によって感覚を鈍らせることができます。その作用で挿入時間の延長が可能です。

内服薬と併用すれば、より高い早漏防止効果が得られます

トレーニング

トレーニングは、もっとも手軽な早漏改善法です。
道具などを使用せずとも実践できる方法もあるため、費用をかけたくないという方におすすめです。

ただしトレーニングは継続して行うことが大切。
一度実践すればすぐに効果が出るということはないため、根気よく続けられるような方法を試しましょう。

PC筋・BC筋強化法

PC筋(骨盤底筋)は排尿、または勃起状態の維持に関係する筋肉です。
加齢などでこの筋肉が衰えてしまうと、尿漏れやEDの原因になることもあります。

そしてBC筋(球海綿体筋)はペニスの根元付近に位置し、尿や精液を勢いよく排出する働きがあります。

PC筋を鍛えれば必然的にBC筋も鍛えられ、早漏の症状改善に繋がります。

骨盤底筋トレーニング
PC筋・BC筋強化法の手順

1. 肛門付近にギュッと力を入れて、その状態を5秒程度キープする
2. 5秒ほどかけて力を緩めていく
3. 上記を10回程度繰り返し行う

射精をコントロールする訓練

射精をコントロールすることで挿入時間を伸ばす訓練法があります。
代表的な方法は、セマンズ法スクイーズ法の2つです。

セマンズ法は射精する手前でペニスへの刺激を止め、興奮状態が落ち着くのを待ちます。
その後再び刺激を与えるといった手順を5回ほど繰り返し、最終的に射精して完了です。

スクイーズ法はセマンズ法の手順とほぼ同じですが、射精しそうになった際に亀頭の根本を握り、物理的に射精を止めるという違いがあります。

どちらの方法も男性自ら実践するより、パートナーに手伝ってもらう方が効果的です。

手術

早漏の治療を行うクリニックの中には、治療薬の処方以外にも外科的手術に対応しているところもあります。

治療薬やトレーニングで効果を実感できない、今すぐにでも早漏を改善したいという場合には、手術を選択します。

保険が適用されないため費用は高額になりがちですが、高い改善効果を得られます。

亀頭強化

早漏治療としてもっともポピュラーである亀頭強化(性感帯強化)は、亀頭部分に専用の薬剤を注入し、粘膜を厚くするという方法です。
粘膜が厚くなれば性的刺激を受けにくくなり、射精時間を伸ばすことができます。

メスによる切開が必要なく、施術は短時間で完了します。 術法によっては効果の持続期間に差が生じるため、事前に確認しておきましょう。

包茎治療

包茎が早漏の原因になっている場合、包茎治療を受けることで症状が改善される可能性があります。

包茎の程度によっては手術せずに済むこともありますが、真性包茎やカントン包茎だと包皮の切除が必要です。

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