カンジダ症は女性に多い性感染症で、5人に1人の割合で発症経験があると言われています。性行為の経験がない女性でも発症することがある病気です。

男性の発症率は女性に比べて低いものの、可能性はゼロではありません。

カンジダ症には特徴的な症状があり、他の性感染症との見分けがつきやすいと言えます。具体的な症状を知っておけば早い段階で治療を始められるので、健康を守るためにも正しい知識を身につけましょう。

カンジダ症とは

カンジダ症はカンジダ菌というカビの一種(真菌)が原因で起こります。

感染経路としては性行為も考えられますが、実はカンジダ菌は誰もが保有している常在菌です。

女性の膣内には乳酸菌などいくつかの常在菌が存在しており、一定のバランスが保たれています。本来であればカンジダ菌の数は少ないのですが、様々な要因によって増殖してしまうことがあります。

✔抗生物質の摂取(必要な菌が減ってしまう)
✔膣内を過剰に洗浄している
✔生理ナプキンやタンポンの交換をこまめに行っていない
✔ストレスや風邪などで免疫力が低下している

上記のようなきっかけで常在菌のバランスが崩れると、カンジダ症を発症する可能性があるでしょう。

カンジダ菌は男性も保有していますが、大半の人がカンジダ症を発症することなく過ごしています。しかし包茎や糖尿病などがきっかけで発症することもあるようです。

男性の症状

男性がカンジダ症になった場合、亀頭部分に痒みや炎症が起こります。

湿疹・発赤などの病変が現れたり、亀頭全体がカサカサになったりと、明らかな異変が見られるでしょう。

また、白いカスが出ることも多く、これはカンジダ症特有の症状です。

悪化すると尿道炎になる可能性があるため、異変に気付いた時点で治療を始めるようにしましょう。

女性の症状

女性がカンジダ症になると、多くの場合男性よりも強い症状が現れます。

膣や外陰部の腫れや強い痒み、または排尿時の痛みなどが主な症状ですが、最も特徴的なものがおりものの変化です。

カンジダ症で見られるおりものの変化

✔普段よりも量が増える
✔ニオイが強くなる
✔白く濁っておりボソボソしている(ヨーグルト・酒粕・カッテージチーズ状)

おりものが増える性感染症は多いのですが、上記のような症状はカンジダ症特有のものです。

カンジダ症は再発を繰り返す可能性が高い

カンジダ症の再発率

常在菌が原因であるカンジダ症は再発することが多い病気です。1年のうちに数回再発する女性もいます。

カンジダ菌は湿り気のある環境でどんどん増えるため、蒸れやすい下着などを避け、常に清潔な状態を保つことが大切です。

【発症や再発を予防する方法】

▶健康管理を徹底する(免疫力の低下を防ぐ)
▶通気性の良い下着を身につける
▶性器の過剰な洗浄は逆効果なので、刺激を避ける
▶女性は生理中にタンポンやナプキンをこまめに交換する

治療には飲み薬や塗り薬が有効

再発しやすいカンジダ症ですが、症状が軽い場合は自然に治ることも多いでしょう。

しかし性器の痒みが強い場合などは不快感が続きます。特に女性は男性よりも蒸れやすく再発リスクが高いため、すぐに対処する必要があります。

カンジダ症の治療には主に抗真菌薬が用いられます。内服薬や外用薬があるため、症状の程度によって使い分けることが可能です。

▶内服薬(飲み薬)

①ジフルカン(フォルカン)を1回服用
②イトラコナゾール(スポラル)を1回服用

▶外用薬(塗り薬)

①イミダゾール(クロトリマゾールジェルクロトリマゾールクリームなど)を1~2週間塗布

抗真菌薬にはいくつかの併用禁忌薬がある他、妊娠中の女性の服用が禁止されています。用法・用量を確実に守るようにしましょう。

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