デコート

医療機関でも処方が受けられる、デキサメタゾンのジェネリック医薬品です。
リウマチ疾患や腎疾患、アレルギー性疾患、肺疾患など多くの病床に適応できる副腎皮質ホルモン剤です。
2021年中旬には、新型コロナウイルス感染後の中等症～重症患者への治療薬として2番目に承認されています。

【有効成分・デキサメタゾンによる新型コロナウイルス重症化の治療効果について】

デキサメタゾンの抗炎症作用を利用して、コロナウイルスによる炎症反応を予防または抑制する可能性が見出されています。
イギリスで行われた大規模施設無作為化オープンラベル試験では、感染後に重症化した患者へと投与したところ、投与しなかった患者よりも死亡率が低下したという結果がでています。

【致死率の比較表】

国内では重症患者へとデキサメタゾンを投与したという報告はまだありません。
国内では、同じステロイド剤であるプレドニゾロンやメチルプレドニゾロンを使用した例のみです。

※ステロイドパルス療法による安全性と有効性は明らかになっていません。

【効果】抗炎症作用、免疫抑制作用、アレルギー疾患の改善
【有効成分】デキサメタゾン

デコートはコルチゾールという副腎皮質ホルモンが元となっているステロイド剤です。
コルチゾールは、人間の体内で分泌されているもので体液の管理や糖やたんぱく質、脂質の代謝、抗炎症作用、免疫抑制作用、血管収縮作用など多くの生体内反応に関与しています。
コルチゾールが元となっているデコートを薬として服用することで、体内で起こっている炎症や自己免疫疾患などを改善するように強化。
強化することで、炎症を沈めたり自己免疫疾患を抑えたりすることが可能となるのです。

【デクマックスの適応症】
リウマチ性疾患、腎疾患、心疾患、アレルギー性疾患、消化器疾患、肝疾患、肺疾患、神経疾患、重症感染症、結核性疾患、悪性腫瘍、外科疾患、整形外科疾患、皮膚疾患、泌尿器科疾患など

デキサメタゾンは1日0.5～8mgを1～4回に分けて服用します。
また、使用目的によって服用方法が異なる場合があります。

【シスプラチン投与に伴う悪心や嘔吐の場合】
1日4～20mgを1～2回に分けて服用します。

【全身性ALアミロイドーシス】
1日40mgを1、8、15、22日目に投与します。28日を1サイクルとして最大6サイクルまで服用を繰り返します。

新型コロナウイルス患者への治療薬として用いる場合

厚生労働省はイギリスで行われた試験結果の飲み方を元に、肺炎症状のある中等症Ⅱ以上の患者に用いる場合の服用方法を公表しています。

【40kg未満の人が服用する場合】
デキサメタゾン0.15mg×体重で摂取量を割り出します。
（例）体重35kgの人の場合
デキサメタゾン0.15mg×35kg＝5.25mg

【使用上の注意点】
・肥満、過体重では用量につき個別に検討する
・血糖値測定やリスクに応じた消化性潰瘍の予防も考慮する

※高用量摂取による有効性や安全性は確立されていません。

※効果・効能・使用法は商品情報を和訳したもの、および一般的な薬剤情報を参考にしています。
お悩み宅急便では、服用および使用について一切の責任を負いかねます。

【副作用】

【併用禁忌薬】
ミニリンメルト、エジュラント、オデフシィ、コムプレラ、ジャルカ、ダクルインザ、スンベプラ、ジメンシーなど

【併用注意薬】
イマチニブ、エプレレノン、エレトリプタン、バルビツール酸誘導体、フェノバルビタール、リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、HIVプロテアーゼ阻害剤など。

【服用禁止】
下記に該当する人はデコートを服用できません。
全身の真菌症の患者、消化性潰瘍、精神病、結核性疾患、単純疱疹性角膜炎、緑内障、高血圧症、電解質異常、血栓症、内臓手術の既往歴がある、急性心筋梗塞、糖尿病、骨粗しょう症、甲状腺機能低下、脂肪肝、脂肪塞栓症、重症無気力症、腎機能障害患者、妊婦・授乳婦・産婦、高齢者、小児

デコートの概要、効果、服用方法、副作用・併用禁忌薬の情報は、以下のサイトを参考に編集しています。

KEGG「医療用医薬品：デカドロン」
デキサメタゾン - Wikipedia