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消化器とは、消化された食べ物からの栄養を吸収し、さらに不消化物の排泄やその運搬などの働きを担っている器官のことを指します。
消化器と一口にいっても食道や胃、腸をはじめさまざまな臓器・器官があります。
消化器はストレスや暴飲暴食、運動不足など、色々な要因で状態が悪くなり病気を発症してしまうことがあります。
消化器内科では大きく消化管グループ、胆膵グループ、肝臓グループの3つに分類でき、それぞれ薬物療法や手術などで治療が行われます。
こちらでは、消化器の病気に効果のある医薬品をご紹介します。
消化管グループは胃や腸、食道の治療を行う分野です。
胃は食物を消化したり消化酵素を分泌したりする役割を担っています。
食べ物を消化するため強力な胃酸を分泌しているのですが、同時に粘膜を出して自分自身を守っています。
胃はストレスやアルコール、喫煙など様々な要因で自分を保護する力が失われていき、胃酸の影響で不調を引き起こしてしまうのです。
胃酸はストレスなどによって分泌量が増えることがあり、胃酸が逆流することで食道に炎症が起こるということもあります。
ラベプラゾールナトリウム錠は、胃酸の分泌を抑えて胃酸過多による症状を和らげる飲み薬です。
ラベプラゾールナトリウム錠は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の治療に効果があるとされています。
特に逆流性食道炎の治療にたいしては90%以上の治癒率を得ているのです。
ラベプラゾールナトリウム錠は下記の商品名が代表的です:
・パリエット
・タケプロン
・ネキシウム
・オメプラール
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の治療で使用する場合は10mgを1日1回服用し、病状によっては1回20mg服用します。
ただし、胃潰瘍と逆流性食道炎では最長で8週間までの服用で、十二指腸潰瘍では6週間までの服用と決められています。
ラベプラゾールナトリウム錠では貧血や発疹、蕁麻疹といった副作用が起こることがあり、重篤な副作用としてはアナフィラキシー、肝機能障害などがあげられます。
整腸薬は腸内細菌の中の善玉菌を増やして悪玉菌を減らす作用を持つお薬です。
腸内細菌のバランスを整えることで下痢や便秘を解消させます。
ビサコジルタブレットは日本で市販されているコーラックと同じビサコジルという成分を含んでいる整腸剤で、便秘改善効果を持っています。
大腸を刺激して腸の運動を促すことで便通を良くします。
刺激性の下剤に分類されていますが、その中でジフェニルメタン系という系統に入り下剤の中では刺激が少ないものです。
即効性が高く、服用後1時間程度で効果を発揮します。
ビサコジルタブレットは比較的副作用のリスクが少ない整腸剤ですが、大腸を刺激するので腹痛などの症状が現れることがあります。
1日1回、5~10mgを寝る前に服用しましょう。
5日間服用しても便秘が解消されない場合は、服用を中止して医師に相談してください。
バエルはアーユルヴェーダ(インドの伝承医学)のサプリメントで、下痢や胃腸障害に効くとされています。
有効成分のひとつにバエルという果物があり、整腸作用を発揮して下痢や便秘を改善してくれます。
下痢や軟便、便秘などで胃腸を改善したいと考えている方や腹部膨張感から食欲不振になっている方にオススメです。
バエルは食後に1錠を1日2回服用して下さい。
サプリメントなので副作用は特にありません。
3種類の配合されているトリファラもアーユルヴェーダ由来のパウダーで、整腸作用やデトックス効果を発揮します。
胃腸を整えて体内から老廃物を排出させるため、ダイエットサプリメントやニキビに効くサプリメントとしても使用されています。
トリファラは1日2回、食後に1錠を服用します。
サプリメントなので副作用は特にありません。
センノサイドは便秘改善薬で大腸の働きを促進して便をスムーズに排出させ、便秘によって起こる膨張感や腸内環境悪化なども改善してくれるお薬です。
古くから下剤として民間療法で使用されており、副作用のリスクも比較的少ないとされています。
成人は1日に1回、就寝前に1~2錠を服用してください。
胆膵グループは胆道(胆嚢と胆管)・膵臓の病気に特化しています。
このグループでの病気として代表的なのが急性膵炎や膵癌、胆嚢炎などです。
膵臓から分泌される膵液には膵臓自体を消化してしまう作用があるのですが、膵液にはタンパク分解酵素などが含まれており、何らかの原因で膵臓に炎症が起こることがあります。
フオイパン(カモスタットメシル酸塩)やフサン(ナファモスタット製剤)といった膵炎治療薬と呼ばれるお薬は、タンパク分解酵素阻害作用によって膵臓の炎症を抑えて症状を改善するのです。
これらのお薬は、膵炎や術後逆流性食道炎などの薬物治療に用いられます。
肝臓グループは消化器の中でも肝臓に特化した分野です。
肝臓に関する病気では慢性肝炎や肝硬変、C型肝炎などが代表的です。
肝炎とは肝臓に炎症が起こっている状態を指します。
肝炎にはさまざまな種類があり、日本では肝炎の多くがウイルス性と言われています。
肝炎ではB型肝炎・C型肝炎などがあり、それぞれ治療薬が異なるのです。
HBVの感染によって起こるB型肝炎は慢性化が進行すると肝硬変や癌などの病気を引き起こします。
B型肝炎ウイルス治療薬(内服薬)はHBVの増殖に必要な酵素の働きを抑制し、ウイルスの量を減らすお薬です。
次に、C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
C型肝炎も慢性化が進むと肝硬変や肝がんになる可能性が高まります。
C型肝炎ウイルス治療薬(内服薬)では、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を阻害してHCVの増殖を抑えます。
Q:パリエット(ラベプラゾールナトリウム錠)と漢方の六君子湯を一緒に飲んでも大丈夫ですか?
A:それぞれの併用禁止薬で特に指定されていなければ問題ありませんが、念のため医師や薬剤師に確認するようにしてください。
Q:整腸剤と便秘薬の違いはなんですか?
A:どちらも便通をよくする作用を持ちますが、整腸剤はビフィズス菌などの善玉菌の働きで腸内環境を整え、便秘薬は腸を刺激したり便を軟らかくしたりして便秘を解消します。
Q:Q:整腸剤を長期服用しても問題ありませんか?
A:A:整腸剤は腸内環境を整える成分が含まれており腸を刺激するものではないため、長期間服用しても問題ありません。しかし、長期間服用しても下痢や便秘が改善されない場合は医師に相談しましょう。